午後の10時になると
いつも午後の10時になると思うことがあります。
まだ名古屋の栄が栄町といい、市電で高校に通っていた頃、
夜の10時、寝床でトランジスターラジオのスイッチを入れると聞こえてくるのは三菱石油提供、「今晩は森繁久彌です」の声。聴いている人達からのお便りに時には優しく、時には激励し、そして熱く人生を語った森繁久彌の言葉に耳を傾けていました。
その中で今でも心に残っている言葉(詩)です。
「友よ、
ほんとうの喜びに
むせび泣きたいのなら
今日の苦しみには
... 笑って耐えようではないか
友よ、
明日 泣け」
「友よみだりに世を嘆き
世をはかなむな
人と生まれ人と生きる
それぞれの道にそれぞれの悲しみ
それぞれの道にそれぞれの苦しみ
友よ しかしみんな 歩いてきた道
君ひとりだけ疲れ給うな」
今でも10時になり、ラジオのスイッチを入れるとその番組の
放送が流れてくるような、そんな気がします。